渡辺真知子の「迷い道」ではないが、二つのオンライン記事を読んで、色々と思うところがあった。
一つ目は、(国研)海洋研究開発機構の強化ガラスのシミュレーションに関する記事で、好奇心を刺激されつつ面白く読んだ。
まず、若かりし頃、導入したてのFEMソフトでヒビ割れのシミュレーションはできないのかと言われて困ったことを思い出し、懐かしい気持ちになった。さらに、上記の記事ではここで書いた「オランダの涙(ルパートの滴)」についても言及しているが、未だにApple. Phys. Lett. に掲載された論文を読んでいないことが少々恥ずかしく感じた。
また、ガリレオ・ガリレイの「宇宙という書物は数学という言葉で書かれている」という言葉が出てきたことや、「最小限のモデルでリアルなシミュレーションをしたい」という発言が素敵に思えた。ガリレオ・ガリレイの言葉については過去にも書いた記憶があるが、光学系の仕事をしていた頃のことを思い出す。私が理解できて上司に理解できないことがあると、必ず上司は「Golden Childさんは数学は得意だから」と言ってきたので、内心「貴方は言葉が不自由なんだよ」と思いながら聞き流していた。
しかしながら、先日のように、今では自分も言葉が不自由になったと感じており、今から手を打っておくのは大事なことだと思っている。今までは、こういう物理学のシミュレーションは定年退職してから再開しても良いかなという気持ちがあったのだが、それからでは頭がついて行かないのではないかという不安が理由である(定年が65歳になったりしたら尚更)。
そんなときに読んだのが、DIAMOND onlineの、脳の機能は60歳までは衰えない、という記事である。帰納的推論力、空間認知力、認知速度、計算能力、言語能力、言語記憶能の年齢依存性を調べたもので、60歳を過ぎてからの下降具合が恐ろしいし、計算能力については他とは異なり単調減少なので尚更である。60歳以降に現れる個人差は、運動習慣、社交性、学習歴の3つが影響しているそうなので、今から始めておくという判断は適切なのだろう。
ただ、社交性を求められるとなぁ…(苦笑)