最初は測長用のヘテロダイン干渉計に興味を持ったのがきっかけだった。考えてみたら、光学部品の形状測定のようなホモダイン干渉計しか使ったことがなくて、ヘテロダイン干渉計の原理を真面目に考えたことがなかったな、と。
そうしたら、2波長レーザの実現手段に興味が湧いて、特に音響光学変調器(AOM)の原理を知りたくなった。密度波が回折格子として機能すること、密度分布が正弦波に近くなるので特定の回折次数の光だけを取り出しやすいこと、この性質が偏向素子に適していることは知っているけど、周波数(波長)シフトを与えるメカニズムは知らなかったので。
まずは日本光学会と電子情報通信学会の資料を見つけて、いずれの資料にもエネルギー保存則とドップラー効果の両方が書かれていたが、一番腹落ちできたのは、「熱中物理」という元予備校講師のサイトに書かれている説明だった。静的な位相型回折格子(定在波)への光の垂直入射から出発して、その後は段階的に話を進めて行き、最後はフォトンとフォノンのエネルギーと運動量の保存則からドップラー効果の式に辿り着けることを示して、同じものを違う観点から見たと言えることの説明になっていた。教育関係者や大学受験生の役に立てば嬉しいと書かれているが、元物理系で技術的な仕事から離れたオジサンの勉強にも役に立っている。
若干引っ掛かっている箇所があって、完全な腹落ちには更に勉強する必要があると思うが、この部分を深掘りしたいわけではないので、一旦置いておいて次に行こうと思う。
2波長レーザの実現手段としては、他にもゼーマン効果の利用があり、それがどんなものかは想像はできるのだが、詳細なところまでを分かっているわけではないので、また別の機会に考えてみたい。
その前に、ヘテロダイン干渉計である。ビート(うなり)の検出なんだろうなとは思うけど、ちゃんと自分の頭で考えて理解したい。