平面波展開 - 1D quantum well → バンド計算の真似事 -

性懲りもなく、再び1次元量子井戸。ちょっと手を加えてバンド計算の真似事まで。


面倒なので分散関係だけ

解くべき方程式

前回と同じ1次元のSchrödinger方程式。分からないことを調べながらやっていたら、平面波展開の場合、束縛状態はBloch関数でk=0の場合であり、バンド計算の真似事までできるということに気が付いた。箱の大きさを無限大にした極限での自由電子論があり、そこに周期ポテンシャルを導入することでBloch関数が出てくることが自然な流れとしてイメージできる。この辺り、固体物理の復習として非常に良かった。恥ずかしながら、復習を始めた時には箱の大きさで決まる波数kと逆格子ベクトルを混同していた。

周期境界条件

ポテンシャルは矩形なので、フーリエ係数は解析的に計算できるのだが、もっと複雑な形状を扱えるようにFFTで数値的に求めるようにしたいと思っている(いずれ気が向いたら)。また、エネルギーの原点は任意に取れることを考えると、DC成分は省略しても良いが、前回のFEMによる結果と比較する(原点を揃える)ために付けてある。束縛状態の固有値は、そこそこ一致している。

対角化

LAPACKのzheevを利用した。なお、面倒臭かったので、固有ベクトルの出力に関しては手つかずである(笑)

計算結果

単一量子井戸(固定端)で計算した時に固有値が井戸の中に入るモードは、今回の計算でも波数k依存性は微少である(スケールを変えて見ると完全に平坦ではないことが分かる)。井戸の深さや幅、周期を変えてやると、最もエネルギーが低いモードでも分散が見やすくなる。

ファイル

しょぼいソースコードMakefile


(最終更新:2009.05.31)