「量子もつれ」と言われても、量子コンピュータで出てくるヤツという程度の認識でしかないのだが、受賞者にAspectの名前があるのを見て「あぁ、Bellの不等式に関する実験をした人か」と思った。20数年前、J.J.Sakuraiの量子力学で上記の箇所を読んだ覚えがあることと、研究室のゼミで関連する話が出たのが理由だろう。
量子系の研究室ではあるものの、Bellの不等式が出てくるような研究をしている人はいなかったのだが、多分、あの時のゼミだろうなと思っている。
日頃は学生に対して、ちゃんと関連する論文を読み込んで、全ての計算をフォローしてゼミに臨めとか、色々と厳しいことを言っている某教授が、自身がゼミで話をする際には、著名な物理学者の顔写真と関連するエピソードを紹介するだけという、酷い手抜きの内容だった。その中で、EPRパラドクス(今はEPR相関)やBellの不等式の話が出て、検証実験もされたみたいですねぇ…という流れじゃなかったかなぁ。
手元のJ.J.Sakurai(初版の日本語訳)を開いてみると、第3章第9節に「量子力学とベルの不等式」というサブセクションがあって、その中で、A.アスペとその協力者により実施された実験について言及がある。そして、その訳注として、”A. Aspect et al., PRL 49(1982), 1804”が挙げられているから、この論文のことなのだろう。Google Scholarで調べてみたら論文のPDFを入手できたので、ちょっと眺めてみたが、実験に音響光学素子が出てくるのは意外だった。
それ以上は読む気になれなかったので、これでお仕舞い(笑)
(以下、2022.10.5追記)
某所で絶賛されていたので、Amazonで「量子の不可解な偶然」(ニコラ・ジザン)を買おうと思ったら、一時売り切れになっていた。みんな考えることは同じか(笑)