「数学者の思案」(河東泰之、岩波書店)

X(旧Twitter)でこの本の存在を知り読んでみたが、面白くて短時間で読み終えた。数学者の生態や、数学と物理学の関わりに関するところが興味深かったが、一番印象に残ったのは、研究者の任期制や、数学研究への公的支援についての考え方だろうか。

企業の管理部門で仕事をしていると、価値判断の基準が「儲かる/儲からない」にならざるを得ず、それも短期間での判断が多い。体力的に余裕があるわけではない中小・中堅企業としては、儲からないと先がないので致し方ないのだけれど、この本で書かれているような、長期的な考えができる世界が存在し続けて欲しいものだと思った次第である。

誰だったか忘れたけど、大学等の研究者を任期制にするのであれば、それを決定する役人も任期制にしろよ、ということを言っていた人がいたと思う(追記:この本で書かれていた…)。まぁ、そうも言いたくなるよなぁ。

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