アーティゾン美術館で「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開 セザンヌ、フォーヴィスム、キュビスムから現代へ」を観てきた。
現代美術の一つのカテゴリーが抽象絵画なのだと勝手に思っているが、いずれにしても、モネの「黄昏、ヴェネツィア」、セザンヌ「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ロワーヌ」、ジャン・メッツァンジェ「円卓の上の静物」が好みに合った。配置が崩れていても、それが何であるかは分かったから、という単純な理由である。
違った意味で印象に残っているのは、アルベール・グレーズ「手袋をした女」という作品である。女性の絵であるのは感じ取れたが、どれが手袋なのか、よく分からなかった。
途中から、物語性やメッセージ性といったものを求めるのは無理だと思い、作品の解説があっても読むことなく、どう感じるかは自分の勝手だと思って観ていくと、それなりに楽しめたように思う。まぁ、作者の意図とは別に、どう解釈するかは受け手の自由という話は文学や他の分野でもあることだと思うので、こんな感じでも良いだろう。
帰宅後、「現代アート」「分からない」で検索してみると、BISENDO art galleryのブログが最初に出てきて、そこに書いてあることが納得のいくものだった。
上記のブログを読んでいて、「わからないから面白いんじゃないの」という学生時代の指導教官の発言を思い出した。分野は全く異なるが、未知の領域への探究心という意味では同じなのかも知れない。