年: 2024年

  • 逃亡者

    上司が会社を去り、自分が後釜になってしばらく経った。彼の去り際の言葉が本音だとすると、今の立場を維持し続けるのが困難になったという意味では逃げきれず、色々なことを放り出していなくなったという意味では逃げたということになる。ここで書いたように、嫌なことを避けて美味しいところだけを欲しがった結果だとは思うのだが、年齢的にハードルが高い状況で、自力で逃げ場を確保したのは立派だと思う。

    引き継ぎらしいことはほとんどなかったが、それ自体で困ることはなかった(彼にもその自覚はあったようだ)。その一方で、私には、彼のような狡さや大局観はないので苦労することはあるだろう。それは引き継げるようなものではないので、経験を積むしかない。

    今までとの一番の違いは、自分の判断が与える影響の大きさである。これまでも何らかの判断はしていたが、これからは「最後の砦」的な要素が生じるので重みが違う。自分の裁量で決めることができるという充実感と、自分が決めなければいけないというプレッシャーの両方を感じながら仕事をしている。「立場が人を育てる」というのはこういうことを言うのだろうと改めて思う次第である。

    また、これを機会に初心に帰らなければいけないと思ったこともある。以前から身につけようと思っていたスキルがあるのだが、そのスキルを身につけられる状況から逃げたことで、何一つ身についていないことに気がついたのである。逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ…

    そんなことを考えながら、愛読している業界関係者のブログを読んでいたら、ここで書いたことと同じようなことが書かれていた。そのブログの主を盲信するわけではないけれど、感覚的にしっくり来る。「君は生き延びることができるか」(by 永井一郎)ってところだろうか。

  • 湯島〜神田

    甘酒を飲みながら梅を観たくなったので、湯島天神に行った。満開にはまだ早かったが(来週が見頃かな?)、しっかり咲いている木もあったので、甘酒を飲みつつ眺めてきた。

    せっかく都内に来たし、徒歩で大した距離ではないので、神田明神にも行ってきた。こちらでも甘酒を飲みたくなったが、それは別の機会にということで。

  • 亀有

    以前書いたように、こち亀の聖地に行ってみた。それ以外の目的はなかったので、亀有駅周辺を散策して、各種の像や漫画に出てくる場所を眺めて満足したところで撤収。柴又と比較して、かなり賑やかな場所だった。行ってみないと分からないものである。

    またこち亀を読んで、違った興味が湧いたら来ようかな。

  • サラリーマンだから

    3〜4ヶ月に1度一緒に飲んでいた、異業種同職種の人が異動になり、職種も異なるものになった。しかも、横浜に持ち家があるにも関わらず、勤務地が西国である。役職定年が近いので、その前に転職先を見つけたいけど思うようなものがない、という話は聞いていたので、その時期が来て子会社に出向になったのかも知れない。本人も「サラリーマンだから仕方ない」的なことを書いていたが、何とも世知辛いものがある。

    同業種の社外研修で知り合って以来、10年以上の付き合いであり、馬鹿話も結構していた人なので、また一緒に飲めればと思っている。一時帰省の名目で月に一度帰ってくるそうなので、そのタイミングで声を掛けてもらえればと返しておいた。こういう時にどういう表現をするのが良いか悩んだが、結局上手い表現が見つからなかった。

  • 著作者人格権

    「セクシー田中さん」は昨年通しで観た唯一のドラマで、すごく楽しめた。9話と10話がそれまでとは微妙に違う感じだったのだが、その理由が分かったと思ったら…結構ショック。

    「原作者には会いたくない」って言っちゃってる人、著作者人格権(同一性保持権)という言葉を知っているのだろうか。知っていたとしても、こういう人たちは、自分の権利を声高に叫ぶくせに、他人の権利のことは何も考えていないんだろうな。

    ググってみたら、著作者人格権に言及したデイリー新潮の記事が出てきた。特許の例えは意味が分からなかったけど…

    あと、多くの記事に最後に書いてある「いのちの電話」は、自殺に関する記事を書くための免罪符みたいで気持ち悪い。

  • 昨日、出光美術館と野毛

    昨日、出光美術館で青磁展を観た。出光美術館に行くのも、青磁、というか磁器だけの展覧会を観るのも初めてである。正直なところ、陶器と磁器の違いもよく分かっていないし、作品説明に出てくる言葉で意味が分からないものも少なからずある。あと、他の展覧会と比較して、食い入るように、下手すると舐め回すように作品を観ている人や、ギャラリースコープを使う人が多いように感じたのは気のせいだろうか。

    今ググってみたら、「大人の焼き物」というサイトで、陶器と磁器の違いを詳しく説明していたので、何となく分かった気になった。材料(土か陶石を砕いた粉か)、焼成温度、硬さ、透水性、熱伝導性、といったものが違うようだ。

    先日、静嘉堂文庫美術館で派手目な焼き物を観たせいか、凄くあっさりしている印象はあったが、これはこれでいいもんだなと思った。

    あと、金継ぎされている作品を見ると、NHKで観た「ゴッドハンド」に修復して貰ったらどうなんだろうとか考えてしまった。もう一回観に行きたいが、残念ながら開催期間は本日までである。

    その後に野毛に移動して、飲み仲間と飲んだ。ちょっと飲み過ぎたようで、今日は頭痛はないけれど、体がだるくてとにかく眠く、体が火照っている感覚もある。

  • 初心忘るべからず

    諸般の事情でマネジメント系の書籍を購入して読んでいるのだが、久しぶりに「立場が人を育てる」という言葉を思い出した。

  • 天才観測

    トーハクに「本阿弥光悦の大宇宙」を観に行った。本阿弥光悦は「名前は知っているけど…」というのが正直なところだったので、自分の目で確かめるべし、ということで。

    個人的にインパクトが強かったのは、「舟橋蒔絵硯箱」と「鶴図下絵和歌巻」。前者は日本史の教科書か何かで見たことがあると思うんだけど、蓋の型破りなデザインが素敵。後者は俵屋宗達の下絵だからというのが大きいのだが、書に詳しければこの作品は勿論、他の作品もより楽しめるのだと思うと、少々残念。

    来月の「日曜美術館」で取り上げられるようなので、それを見て知識を得てからもう一度行ってみるのも良いかもと思っているが、どうなりますか。

  • 試験公告

    先日あったことに気がついた。今年もこの手のイベントごとに緊張感が高まるのだろうか。

  • AIに関する雑感(2)

    生成AIの関連業務への適用に関するウェビナーを視聴した。講師はこの手のサービスを提供している会社の社長で、以前はAIと無関係な案件で関わり合いがあり、昨年後半に会ってサービスの紹介を聞いたこともある。ウェビナーはそれなりの時間を割いているだけあって、昨年聞いた話よりも突っ込んだ内容だった。

    印象的だったのは、従来は「調査→分析→提案」だった業務を、AIを活用することで「調査→分析→提案→実行」までやってしまいましょう、という提言である。調査から実行までを単一主体が担当するというアイディアは良いと思うが、その主体は自部署ではなく他部署になるという、まさに「取って代わられる業務」であるという考え方もできそうだと思った。さらに言うと、ここで書いたように上司は調査までにしたい人なので、自部署の置き換えは世間一般より容易かも知れない。

    もっとも、その主体には先日書いた「そうでない領域」のスキルが必要であり、それをAIや他部署の人間が身につけるのは非現実的、あるいはまだ遠い先の話である…なんて考えているうちに「茹でガエル」になってたりして。