ひょんなことから、ある部下の、リアルな出社時刻と打刻されている時刻が結構な頻度で違っていることに気がついた。勤め先では30分刻みの時差出勤を導入しているのだが、本来ならば、正時から数分遅れた時刻での出社になるところが、正時丁度に出社したことになっている。
少々憂鬱な気分で、部下の出社するであろうタイミングの少し前に勤怠システムを確認したら、既に出社の打刻がなされていたので、スマホから打刻しているのだろう。部下が実際に出社したところで会議室に連れて行き、「打刻はちゃんとしてね」とだけ言うと「はい、分かりました」との返事だけで、謝罪の言葉はなかった。
夕方、部下から社内システム上で電車遅延証明書の提出があった。部下が謝罪しなかったのは、これが理由なのだろうが、その場で何も言わずに後出ししてきたこと、鉄道会社のウェブサイトに対応する日時の遅延証明書履歴が存在しなかったことの2つから、疑念が深まっただけだった。証明書はPDFではなくhtml出力なので、日付は編集できるだろう。実際、このような指摘をしている人がいた。
追って上司に(改ざんの可能性には触れずに)この話をしたところ、正式な手続きを経ずにスマホで打刻するという発想自体が姑息であり、自分からも言ってやろうかとの反応だったが、それは止めてもらった。上司自身がちゃんと打刻をしない人だったので説得力がなく、「部長だって…」という反論も予想されるのである(本当にそんな反論をしたら、火に油を注ぐことになるだろうけど)。それもあって、部下に注意する際には気が重かったし、謝罪の言葉がないことに突っ込むのが躊躇われた。
こんなことに時間と労力を使いたくないので、それ以上の追求はせず、こまめに遅延証明書を出してくるのであれば、それで済ませることにした。あまりに申請が多ければ、人事が鉄道会社のウェブサイトで確認するだろうし、私自身もそうするつもりでいるので、部下がそこまで考えてブレーキを踏むことを期待している。それでなければ何らかの処分が下される事態になるのではないだろうか。
あと、これはフレックスタイム制を導入していた前の勤め先の考え方なので、時差出勤にも当てはまるのか分からないが、遅刻になる場合を別にして、電車遅延分を吸収することを前提としてのフレックス制だと言われていたし、遅延が常態化しているのであれば、それを前提に少し家を早く出るなどの対応を取るのが筋だと思っている。
どこにでもある話なのかなと思いググってみたら、こんな話が出てきたので、苦労をされている方が結構いるのだと思う。
評価は真面目に打刻をしているかではなく、仕事の成果で判断されるべきもので、そこまで目くじらを立てなくても、という考え方もあるかも知れない。ただ、それであればそのように制度を変えるよう主張するか、そのような会社に転職すべきであって、少なくとも、コソコソと規則を破るようなことはすべきではないと思う。さらに言うと、部下の場合は「大した成果も出していないくせに何言ってるんだ」となるのがオチである。