_ 「結像光学入門」(松居吉哉 著)にこんなことが書かれていた。
近軸領域は基準軸近傍のごく狭い領域であるが、その領域内での関係を分かり易く図示しようとすると、どうしても光線の通る位置を近軸領域から大きく外れた形にせざるを得ない。そうすると、近軸結像に関する式を説明するための図と式とが完全には対応しなくなるという矛盾が生じる。したがって、これから先、近軸関係の図を眺める際には、そうした事情を念頭に置いておく必要がある。(中略)これまで幾何光学が分かりにくいと言われている理由の一つが、案外こんなところにもあるように思われてならないからである。
_ 近軸結像の取り扱いに気持悪さを感じるのは、ある意味健全なことなのかも知れない。