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学生時代の指導教官と飲んだ。いろいろ話をしたが、特に物理系の話をした。
最初に話したのは、熱伝導(拡散)が波動にならない理由として、Maxwell方程式やNewtonの運動方程式とは異なり時間の2階微分(慣性)がないというのは感覚的にも分かるのだが、Schrodinger方程式は2階の時間微分が無いのに何故波なのか?(虚数が肝であることは想像できるが)という話。これにはシッフの本に出ていたはずなので、それを読むと分かるのでは、と教えてもらった(*1)。
その次が、超伝導を理解したいと思い読み物的な入門書を読んでいるのだけれど、いずれ真面目に式を追い掛けようとした場合、第二量子化がどうも…という話。名前は仰々しいが、それほど難しいものではないと言われたので、砂川重信の本でも、「粒子数表示」とでも呼ぶべきであり、ネーミングが不適切だと書いてあるので、フーリエ変換みたいな表示の変換だと思えばよいのだろうかと言ったら、そうかも知れないね、という返事。また、これを使うと計算量が格段に減るので、超伝導の勉強をするのであれば、マスターした方が良いとも言われた。
教科書としては、de Gennesの本が理論面でしっかり書かれているので良いと勧められた。英語だけど、そんなに難しい英語ではないし、日本語訳は絶版で、入手できたとしても誤訳が多くて読みにくいらしいから、原書の方が良いと言われてしまった。原書というならフランス語では?(*2)という下らない突っ込みをする勇気はなかった(笑)
以前古書で買った超伝導の本、「超伝導と超流動」「超伝導でたどるメゾスコピックの世界」(どちらも「岩波講座 物理の世界 物質科学の展開」の一冊)がどちらも新品で置いてあった。Amazon等で入手不可だったので古書を入手したのだが、ジュンク堂恐るべし。
先日某教授と飲んだ時にも話題になったのだが、熱伝導にも少々興味を持っている。業務で某デバイスの製造工程に関する話になったのがきっかけなのだが、同じ100℃でも水では火傷するのに空気ではそうならないのはなぜか、といった話や、この手の話では熱伝導率と比熱どちらが効くのかとかということを、暇を作って考えてみたい。