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上司から「貴方は打たれ強いよなぁ」と言われた。不本意な異動、月月火水木金金な生活、その他の不愉快な出来事、それら全て…何を指しているのかまでは言われなかったし、聞きたいとも思わなかったが。
まぁ、こういうところでグダグダ愚痴を書いてるんだから、強くはない(笑)
大したことではないのだが、ここ数日考えていたことを備忘録としてまとめておく。実は一年ほど前に多少考えた事があるのだが、大部分を忘れてしまったので再度考察(笑)
構造性複屈折については、例えば Born and Wolf の 15.5.2 (p.837から) に書いてある。誘電率(屈折率)が異なる2つの物質が交互に並んだ1次元的な周期構造を持っていて(要は回折格子)、光がその逆格子ベクトルに垂直に入射する状況を考える。「(周期)<<(波長)」と仮定して、電場あるいは電束密度の平均を考える(当然Dutyを考慮した重み付けが必要)と、光の偏光方向が逆格子ベクトルに平行な場合(TM)には、境界面に垂直な電束密度成分が連続であることとを考慮して電場の平均を求めれば、実効誘電率が求まる。光の偏光方向が逆格子ベクトルに垂直な場合(TE)には、境界面に平行な電場成分が連続であることとを考慮して電束密度の平均を求めれば良い。
TEの場合、実効誘電率は個々の物質の誘電率の平均となり、TMの場合は実効誘電率の逆数が個々の物質の誘電率の逆数の平均となる。一方を空気、他方を誘電率が大きな物質とすると、TEでは大きな誘電率を持つ物質が支配的、TMではほぼ空気の誘電率ということになる(2013.1.27追記:TEの場合はコンデンサの並列接続、TMの場合は直列接続をイメージすると理解しやすいかも知れない)。
実効誘電率の平方根が実効屈折率となる訳だが、TEは(実効屈折率)→ ∞ で(Fresnelの反射係数)→ 1 、TMは(実効屈折率)→ 1 で(Fresnelの反射係数)→ 0 ということになり、偏光制御素子として利用できる、というのが大雑把な考え方。深さ方向に関する情報が含まれないこと、現実問題として「(周期)<<(波長)」という仮定が粗すぎるため、定量的には不十分。この辺りの効果を定量的に考慮するにはMaxwell方程式を厳密に解く必要があり、RCWAやFDTDといったベクトル回折理論と呼ばれるものの出番になる。また、屈折率の大きさだけで結論が出せるのだが、ミクロな観点で見た時には金属と誘電体では振る舞いが異なるはずで、双方の物理的描像が欲しくなる。
ここまで書いておけば、後から見直して思い出せるだろう。
これを素人に分かりやすく説明しろと言われても難しい。電場の連続と電束密度の連続、屈折率ではなく誘電率の平均を考える訳、2つの媒質の誘電率差(屈折率差)が反射の原因であること、の32つは、自分自身の理解だって怪しいもんだ。
光学設計者からの質問に、某ソフトの某機能で確認したら?と答えたのだが、彼はその機能を見たことがないということなので、久しぶりに某ソフトの操作をした。しかし、散々使った機能のはずなのに、メニューからサクッと使う事ができず、「あれ、どこだったっけ?」という感じで戸惑ってしまった。まぁ、ソフトを頻繁に触れば感覚は取り戻せるし、某ソフトは自腹で購入したものがある。光学そのものではないので、そう気にする事でもない。もっとも、再び某ソフトと本格的に戯れるのは弁理士試験が終わってからであり、それまでは我慢が必要ではあるが。
本屋での立ち読みで、DrudeモデルとLorentzモデルがあったことを思い出した。物性物理学を専攻しておきながら固体の光学的性質に付いてはド素人なので、恥ずかしいような気もするが仕方が無い。
屈折率と誘電率、どちらが本質的な物理量かという疑問について過去に書いた事があるが、最近考えている事に関連してふと思い出した。歴史的には可視光の振る舞いを理解するために人為的に導入された概念が屈折率であり、後になって可視光が電磁波の特定の周波数帯だということが判明して、誘電率との関係が分かったので、屈折率が比誘電率の平方根であることに物理的意味を求めるのは無意味なのだろうと勝手に思っている。
ついに弁理士試験の日程が発表になったが、勉強していて違和感を感じるのが、法律の条文に記載が無く判例も存在しない状況を、最もメジャーな?学説で解説していること。「○○の××ページ参照」という趣旨の記載を見ると、胡散臭く感じて仕方ないのである。学説は実験で検証されなくてはダメだろう、みたいな。
まぁ、受かることが何より大切なので、まずは覚えることかねぇ。
研修が終わって少しは楽になるかと思ったのだが、逆に忙しくなった。これで色々頼めるとか、研修受けたんだからバリバリできるだろう、みたいな。
全てのことに言えると思うが、研修等で知識を蓄えても、それを使いこなすには経験が必要である。まぁ、頼む方はそんなのお構い無しだが。
知財部門の業務に対する見方も変わった。前の勤め先は従業員1000人以上の所謂大企業であり、知財も出願等の権利化を担当する部署とライセンス等の渉外担当部署に分かれていたし、個人の担当も細分化されていたように思う。今の勤め先は所謂中小企業で、権利化も他社とのライセンス関係の打ち合わせにも絡んでおり、忙しくなるのも無理は無い。上司にも「思ったより忙しいでしょう」と言われた。
しかし、いきなりこれを上司と同じようにやれというのは無理な話である。ホントに他人に厳しく自分に甘い人達だな、と思ってしまった。しばらくはこの辺りがストレスの原因になると思うが、まぁ致し方ない。色々な経験ができるのもまた事実であり、その分成長できると考えることにする。