|
_ 著名な光学設計者の回顧録的な文章を読んでいて、光学に限らず、ある近似理論に基づいて設計を行っている場合、近似の精度を高めようとすると、設計ツールとしてよりも評価ツールとしての性質が強くなりがちだよなぁと思った。どうしても見通しが悪くなるのである。多変数関数の極値を求めているのだがから、変数が増えれば見通しが悪くなるのは当たり前のことで、より少ない変数で仕様を満足する極値を見つけることが設計者の腕の見せ所ということか。
_ 骨組みを作るのか、肉付けをするのか、細部の仕上げなのか、状況によっても変わってくるので一概には言えないが、近似理論からのアプローチよりも数値計算中心で片を付けるというやり方があるのも事実である。どっちにしても頭の中でイメージができれば良いのかもしれないけど、もう少し近似理論の理解を深める努力をしておこう。
_ 火曜日に始めた数値計算が、昨日の深夜に終わっていた。以前はこんなに時間が掛からなかったのになぁと思って考えてみたら、if文をさらに増やしていたことを思い出した。ここまで来ると業務の進捗にも支障が出るレベルである。C言語での処理がかなり仕上がってきたので、早くそちらに移行したいところだ。
_ 会議で「数値計算の精度を上げてみました」という報告があったのだが、結果は上げる前と大差ないというものだった。それならわざわざ会議の場で話すことでもない訳で、本人は「頑張りました」というアピールらしいのだが、周囲は「だから何?」という反応。同じく精度を上げた計算を別の状況に適用する予定です、という話に対しても「今回の結果は精度が足りているということを意味しているんだから、やる意味ないんじゃないの?」という突っ込みが。計算と実測の不一致を計算精度に求めようとしているみたいだが、何が起こっているかという考察抜きで計算しても時間の無駄だろう。