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初めて書く話題ではないが、具体的に書くのは初めてかも知れない。
超伝導の本を開いてすぐにHelmholtzの自由エネルギーが出てきてしまい、その先に進めなくなってしまった。量子ホール効果と違い、相転移など熱力学についての知識がないと超伝導は理解できないので、熱力学(統計力学)の勉強をしようと思い、取っつきやすそうな「マクロな体系の論理」(吉岡大二郎、岩波書店)(*1)を開いたところ、いきなり二項分布が出てきたので、今度は高校数学に立ち戻らなくてはいけなくなった。
系全体の体積がVで、全分子数がNのとき、一部分(体積V1内)にn個の分子がいる確率WN(n)は、p = V1/Vとすると、N個の分子の位置を測定したときに、n個がV1内で測定され、N - n個がV1外で測定されることになるので、pを n 回、(1 - p)を N - n 回掛け算して、p と 1 - p の順序(組み合わせ)を考慮すると、NCnをさらに掛ければ良いということになる。
これで「 WN(n) = NCn pn(1 - p)N - n 」が得られた訳だ。どこかに書いておかないとまた忘れそうなので、ここに書いておけば何とかなろうだろう。あと、余力があれば順列・組み合わせについて再勉強したいところだが、それは他の状況次第ってことで。
自分が使う定理は自分で証明したいと思い、二項定理を数学的帰納法で証明しようとしたのだが、流石にブランクが大きい様で自力で最後まで進むことができず、Webで探した解説の助けを借りた。これを自力でやり遂げることが目的ではないんだけど、後日再挑戦しようと思っている。
実際にやろうとしていることは、下記URLの問題1-1そのもので、「そういう公式がある」と認めてしまえば大したことは無いのだが、そういう姿勢は如何なものかと思うのである。
http://hep1.c.u-tokyo.ac.jp/~kikukawa/lectures/H26thermodynamics/1practice_utf.pdf
ちょっと間が開いてしまったが、分子数の揺らぎΔn/<n>を求めることができた。自分で計算してみると、何となく実感が湧いてくる。統計力学の入り口をちょっと覗いてみた感じなのだろうか。途中、「<(n - <n>)2> = <n2> - <n>2」となる理由が分からず、「大学への数学 解法の探求・確率」の助けを借りた。20年以上前に買った本なんだけど、未だに役に立っている。
ほんの少しずつだが、血湧き肉躍る感覚が蘇りつつある。
昨日求めたN個の分子の速度空間での分布確率から出発して、Stirlingの公式とLagrangeの未定乗数法を経て、Maxwell分布に到達した。
Stirlingの公式は、googleで見つけたページを参考にしてサクッと求めることができた。ln(n!) = ln 1 + ln 2 + … + ln n において、 和を積分に置き換えても良いと近似して、ln x を 1 * ln x と考えて部分積分することで、 n! ≒ nn となるという結論に辿り着ける。
Lagrangeの未定乗数法については、拘束条件がある問題において変数を増やすことで、拘束条件なしの極値問題に変換する方法だということは理解できた。学生時代はこのような理解をせずに機械的に計算していただけのような気がするが、今回の勉強ですっきりできたと思う。
ガウシアンを含む積分は高校生の頃を思い出しつつ復習できたが、極座標でのヤコビアンのところでもたついた。もう1回復習した方が良さそうだ。
友人とのメールの中で元部長との遣り取りについて書いたところ、相当有望株だったんだなという返信が来た。こういう反応を見ると、ちょっと自信が持てて、頑張れそうな気がしてくる。
昨日録画した「NHKスペシャル ミラクルボディー」でシャビ・エルナンデスを取り上げていた。彼は観客と同じようにフィールドを俯瞰するよう把握しており、彼の脳には過去のプレーが棋譜のように蓄積されていて、将棋での次の一手と同じように次のプレーを考えているらしい。自分はサッカー/フットサルをやっていてそんな経験はない…当たり前か(笑)
昼休みに「マクロな体系の論理」のエントロピーの導入部分を読んだ。ミクロな状態の数え方の例として、1円を最低単位としてE円をN人に配るやり方が書かれていたが、この計算は、記憶に残っている程度には新しい過去の出来事である(*1)。E個の1円玉をN - 1個の仕切りで区切る場合の数だから、E + N - 1を一列に並べて(E + N - 1)!、E個の1円玉とN - 1個の仕切りは区別がつかないので、E!と(N - 1)!で割れば良い。若い頃に基礎体力を鍛えたからか、こういうことで困ることはあまりないし(*2)、年をとったからこそ頭が整理できているようなところもあって、面白く読めている。
書きかけで更新してしまったので、残りを書いておく(だから、「こなした量の『違い』」になる)。
業務の方は、色々なことに関わってはいるのだが、一つの案件を取りあえず程度に結果を出したところで次の業務が降ってくる感じになっていて、2年間やっている割には身に付いているという実感に乏しい。人員構成の問題もあるのだが、自分の将来のためには考えなければいけない問題である。