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_ 周期境界条件におけるCoulomb相互作用の計算にはカットオフ(*1)が不可避に思えるのに、手元の論文では、どう見てもそんなことはしていない。「これは何故…?」と悩み続けていたのだが、処方箋と言うべき物があることを知った。googleで検索すると、分子シミュレーション関連で色々と出てきたが、系全体で電荷が中和している必要があるとか、上述の論文にも同じようなことが書いてある。詳細は休日を利用してじっくり勉強したほうが良さそうだが、数値計算のテクニックが上手く行く理由を物理的に解釈出来るというのは、それはそれで意味があることだと思う。今までも、プログラムを組もうとして初めて物理的意味を真剣に考えて理解した、ということが幾つかある。
_ 同様な事例は、光学(電磁気学?)の数値計算でも存在する。周期構造中の電磁波の振る舞いを計算するためにMaxwell方程式を平面波展開で解く場合、誘電率の逆数のフーリエ展開係数の逆行列を使うことで、straightforwardに計算するよりも計算精度を維持しつつ計算量を抑えることができて、その理由は長波長極限での等化屈折率を考えることで解釈出来るそうである。いずれ理解したいと思っていることなのだが、いつになりますかねぇ。
_ 今まで別の部署に頼んでやってもらっていた計算があるのだが、不具合を解析するために新規で計算を依頼しようとしたら、今回の依頼内容はモデリングに手間が掛かることとPCの能力不足で難しいという返事が来た。元々その部署との関係は、こちらから出した仕様である素子を作って貰っていたのだが、仕様を満たすようにはどうすれば良いか分からないので、彼らが自分たちで何とかしようと市販のソフトを購入したのがきっかけである。
_ 本来は、こちら仕様を出すだけでなく設計まですべきところなのだが、自分等がやらなくても何とかなるのでその状況に甘えていたと言える。他人任せにしていると肝心な時に何もできないという教訓かも知れない。