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ジュンク堂に力学の本を物色しに行った。理工書を選ぶというのは楽しいものだ。
最終的に選んだのは、当初考えていた「よくわかる初等力学」(前野昌弘、東京図書)だった。「よくわかる」というのは行間も書き出してあるという意味であり、「楽ができる」という意味ではないだろう。
量子力学を学んだことがある人には当たり前のことだが、調和振動子は厳密解が存在するので使い勝手が良い。このような厳密解がある問題について数値計算を行い、双方の結果を比較することで、数値計算の手法について理解を深めたいと目論んでいる。
…ということで、ここ数日、紙と鉛筆の計算をやっているのだが、Schrödinger方程式の無次元化から始まって、級数展開によるHermite多項式の導出で時間を使っている。学生の頃は演算子解法を見てエレガントだと思い、それしか考えていなかった気がする。
Schrödinger方程式の解を$\varphi\left(\xi\right) = \exp\left(-\frac{1}{2}\xi^2\right) H\left(\xi\right)$と仮定して、$H\left(\xi\right) = \exp\left(b \xi^{n}\right)$(nは自然数)と置くと、$b=1, n=2$となるので$\xi \to \infty$で解が発散してしまいNGである。また、級数展開したときに、有限級数になるための条件や、展開係数の漸化式まで辿り着いたところで本日は終了。この辺り、富山大学の先生が書かれた講義メモ(http://k2.sci.u-toyama.ac.jp/quantum1/lec7.pdf)が参考になった。時間は掛かったが、意外とスムーズに手が動いた。
明日の目標は、下記の表記に辿り着くことである(今日のところは式を書きたいだけ)。
\[
H_{n}\left(\xi\right) = \sum_{l=0}^{\left[n/2\right]} \frac{\left(-1\right)^{l}n!\left(2\xi\right)^{n-2l}}{l!\left(n-2l\right)!}
\]
母関数ってよく分かんねぇなぁ…
船井電機でVHSデッキの生産を終了するらしい。VHSデッキの部品が調達できないとなると、磁気ヘッド辺りかなぁという気がするが、どうなんだろう。とある電機メーカーでエンジニアをしていて、その手の部署を横目で眺めていたことがある程度の人間の意見なので、信憑性は怪しいけど。
学生時代の計算ノートを当たってみたら、母関数から出発する流れが書かれており、さらに昇降演算子に関するところまで計算していた。ただ、$\exp\left(2xt-t^2\right)$をTaylor展開した際の展開係数がエルミート多項式だという考えは、昨日の講義メモで知ったように思う。学生時代は、こういものがあって、こういう計算をすれば良いのね、くらいにしか考えていなかった。
$\left(2xt-t^2\right)^{n}$を二項展開するときに、$x^n$の微分が$nx^{n-1}$になる理由や、二項定理の展開係数が組み合わせなのは、$k$個の$a$と$n-k$個の$b$の並べ方の総数だから、といった話に興味が行ってしまい、本来の目的からは逸れてしまった。更に、昨日の式の導出で立ち往生してしまい、当初の目的から大きく外れてきたので、一部内容は保留にして、明日以降は調和振動子の問題を解くという当初の目的に軌道修正する予定。
時間が経つほど読書の時間が取りにくくなるので、今のうちに歴史書を読むことにした。大河ドラマを見て、豊臣秀次に関する本にしようと思い、「豊臣秀次」(小和田哲男、PHP)を選んだ。
これを読む限り、「殺生関白」は捏造のようだし、決して無能な人物ではなかったようである。また、秀頼が生まれたことで秀吉に疎まれたことだけが切腹に追い込まれた理由ではなく、苦労せず関白になったが故の甘さや隙も身を滅ぼす原因の一つになったとか、秀吉と秀次の政治的手法の違いが軋轢を生んだとか、興味深い話が多かった。残念なのは、その興味深い部分があっさり書かれているように感じられたこと。根拠となる文献が限られているので、致し方ないのかも知れないけど。
そのうち「関白秀次の切腹」(矢部健太郎、KADOKAWA)を読もうかと思っている。こちらは大河ドラマの新解釈に影響を与えた本らいので(*1)、上記の本と比較してみたい。
前々から、やりたい事ではあったのだが、今回手を出したきっかけは、ウェブで見つけた"Exploring quantum mechanics with Lanczos algorithm"というタイトルのPDFだった。これを取っ掛かりにして・・・と思ったのだが、読み進めていくと、Krylov部分空間とか言われてもなぁという感じで、数学的なことがよく分からない。
そんなときに、筑波大の初貝研究室に「物性論における数値計算について」という、Lanczos法についての記載を含む講義ノートが公開されていることと、東工大の西森研究室ではTITPACKという量子スピン系の対角化プログラムが公開されていることを思い出した。また、手持ちの「計算物理III」(夏目・小川・鈴木、朝倉書店)にもLanczos法の記載がある。そこで、定式化は「物性論における数値計算について」をフォローして、その後にTITPACKのマニュアルの付録にあるLanczos法の解説を読んで、頭の整理をすることにした。「計算物理III」は、両方読んだ後の更なる頭の整理用ってことにしておく。神戸大のKOBEPACKという対角化プログラムもあるようだが、そこまで追いかけると収拾が付かなくなりそうなので止めておく。
自分で手を動かしつつ考えると、かなり頭が整理されてきたように思う。「物性論における数値計算」(*1)では、出発点となる近似解$\left|\psi_1\right>$を設定して、そこから $\left|\psi_2\right> = H \left|\psi_1\right> - a_1 \left|\psi_1\right>$を作って、次は $\left|\psi_3\right> = H \left|\psi_2\right> - a_2 \left|\psi_2\right> - b_2 \left|\psi_1\right>$、さらにその次は…という流れになっている。
この作業は、Hamiltonianを何度も掛けていくと、固有値の絶対値が大きい固有状態の重みが増していき、その状態から元の状態ベクトルを引くことで、任意に選んだ出発点の影響を減らして収束を速くすることを意味していると、「物性論における数値計算」とTITPACKマニュアルの両方に書かれている。また、三重対角化行列の列ベクトルが上記の $\left|\psi_1\right>, \left|\psi_2\right>, \cdot\cdot\cdot$ に相当することも書かれており、両方を比較しながら読むと、かなり見通しが良くなる。
ただ、すぐにプログラムを組める訳ではないので、まだまだ雰囲気を掴んだというレベルだろう。ソースコードの完成が、計算機に自分がやりたいことを説明し終えるということだから。
TITPACKのソースコードを読んで、内容の理解を深めていきたいものである。
MacBook ProのOSは、ずっとMavericksを使っていたのだが、Yosemiteを通り越してEl Capitanにアップグレードした。恥ずかしながら、アップグレードするまで「EI Captain(イー・アイ・キャプテン)」だと思っていたのだが、「El Capitan(エル・カピタン)」だったのね(苦笑)
しかし、どうしても動作のモッサリ感は否定できない。MacBook Pro Mid 2012には重すぎるのかも知れない。