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_ 担当業務が大きくシフトしつつある。技術業務であることには変わりはないが、扱う物が異なっているため、ほぼ知識ゼロの状態から出発である。文献に目を通して予備知識を仕入れたつもりではいたのだが、経験が足りないからだと思うのだが、自分が持っている知識が目の前にある現物や図面と一対一対応せずに苦労している。人から説明されると「ああ、あの資料に出ていたあれか」となるのだが、自力でそうだと気付くようになるにはもう少し経験を積まなくては行けないだろう。
_ 担当業務の責任者にしてみると、回されてきた人間が予備知識ゼロなので「そんなことも知らないのか!?」と思うのは致し方ないのかも知れない。「そんなことも知らないのでは、話にならない。先へ進めない」とまで言われてしまった。ただし、「(別のメンバーに対して)この人、こんなことも分かってないから、説明用の資料を渡してやってくれ」「(私に対して)読んで分からないことがあれば彼に聞けばいいから」とも言われたのが救いではある。突っ込みは厳しいし口は悪いが、仕事を回すためには私が理解を深めるしかないので我慢しているところもあるのだろう。
_ 前の勤め先で転職者が来た際のことを思い出している。要素技術は近くても、業界・業種が違えば素人同然のところから出発することになるので、彼が分からないであろうことを色々と説明したのだが、彼はお客様意識が強いのか、一向に理解が深まらなかった。理解を深める努力をせずに、それを正当化しようとする言い訳ばかりを聞かされて、人間関係がギスギスしたこともある。本来その辺りは上司が行うことであり、上司自身も転職者なのだが、何かを人に教えることは、その分だけ自分の立場が危うくなるという発想なので、他人の教育ということは積極的には行わない人だった。勿論、査定では指導力・育成力を問われるので、指導・育成している「ふり」はしていたが。
_ 前の勤め先の先輩数名と飲んだ。そのうち2人は事業売却で別の会社に転籍して、その会社の工場がある東北某所で仕事をしていたのだが、今回の震災で工場の1階が水没してしまい、神奈川県内の本社で仕事をすることになったので、飲み会をしようということになったそうだ。現在は本社近くのホテルで寝泊まりしているそうだが、すぐに工場が復旧ことはあり得ない状況なので(復旧しない可能性の方が高い)、近いうちに正式に異動になるだろうとのことである。
_ 携帯のカメラで撮影した現地の写真を見せて貰ったが、あり得ないところに車があったりと、特撮映画やアニメでしか見たことがないような光景だった。また、震災当時の状況も色々と話してくれた。普段の生活では考えられないような出来事ばかりの生々しい話であった。不幸中の幸いは、社宅は丘陵地にあって難を逃れたことで、車以外の財産は問題ないそうだ。途中、先輩の1人が「こうして生きているだけでも儲けものだし、それを楽しまなきゃ」と言っていた。死ぬかも知れないと思った後での実感なんだと思う。
_ 気心の知れた面子との飲み会は楽しい。ある本に、転職して間もない時期は、前の勤め先の人と会うと前の会社への郷愁が湧いてくるので避けた方が良い、と書かれていたが、辞めた状況が状況だけに郷愁は湧いてこない。ストレスが発散できる楽しい時間だ。