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_ 見に行ってきた。明日までの開催だから混んでいるかと思ったが、悪天候のせいか思ったほどには混んでいなかった。帰宅してから知ったのだが、国立博物館では写楽の特別展をやっていたそうで、そちらに人が流れていたのかも知れない(*1)。
_ 版画が多く、細かい描写が凄かったが、それゆえ目が疲れた。もっと油彩が多いと尚良かったのだが、それは贅沢な希望だろうか。しかし、「光と闇の魔術師」と言われるだけあって、コントラストが見事というか…まぁ、偉そうに言える立場ではないけど(笑)
_ 美術館に行くこと自体が随分と久しぶりな気がするが、十分に楽しめた。休みの日は、仕事のことで鬱々としているよりも、美術館・博物館を回った方が良さそうだ。
_ 15年以上前の話だが(*2)、卒論のゼミで「固体物理の文献で『化学結合が云々』という記述があったのだが、これはどういう意味なんでしょうか」という質問をしたことがある。教授(当時)は窓の外を見てしまい、助教授(当時)から「そこを深く知りたいのであれば、文献を紹介する」という答えが返ってきた。その場で紹介されたかどうかまでは覚えていないが、その文献はW.A. Harrisonの「固体の電子構造と物性」なのだが、邦訳(の上巻)を購入したものの「積ん読」状態だった(苦笑)
_ 今の職場でエライ人から、バンド構造をどう理解するかという疑問を投げかけられたことがある。その方は周期性(Blochの定理)から出発して理解したいらしく、原子数が増えて縮退が解けて行くという考え方は受け入れ難いという反応だった。ストレートに本音を書くと、周期性から出発しようが、縮退が解けるという話から出発しようが、行き着く先は同じでなければおかしいと思うし、前にも書いたが高橋秀俊の言うように「物事は二通り以上の方法で説明できて初めて理解したと言える」はずである。言い方を変えると、富士山の所有は静岡県ということらしいが、静岡県と山梨県のどちらから登っても富士山に登ったという事実は変わらないはずであり、エライ人の主張は特定の登山ルートしか認めないということで、それでは2原子モデルから出発するのが当たり前とされる現象はどう理解するつもりなんだよ、ということである。この辺り、モヤモヤした気持ちを持っていたのだが、今後の仕事の方向性を含めて考えてみると、その辺りをしっかり理解しておくことが重要ではないかと思い始めた。
_ そんな時に思い出したのがHarrisonの著書であるが、これはあったはずだと思って書棚を見ても存在しない。どうやらもう読まないと思って処分してしまったようだ。Webで調べると、邦訳は流通自体が無い、あるは無くなりつつある状況のようだ。取りあえず、語学の勉強を兼ねるということで原書を注文して、邦訳は在庫がある書店を当たってみることになるだろう。
_ 何だか変な火がついたっぽい。
_ おかしな計算結果が出るのでバグかと思ってサポートに問い合わせたら、計算対象の大きさからするとおかしな結果が出ても不思議ではないので、別機能での解析を推奨するとのことだった。実は推奨された別機能、最初に使用することを考えたのだが、周囲に合わせて別の機能で計算した顛末がこれである。その辺りの判断は、自分の立場的を含めて難しいものがある。
_ 過去に何度か書いた、他人とは別方法でアプローチする数値計算の件、一段落したので手を出すのを止めることにした。方法によって異なる点は計算誤差の問題で、同じ振る舞いになる箇所は物理的な意味があるであろうということと、考えられる原因を指摘したところ、元のソフトの作成者も満足したようだ。指摘した原因についてはどうなったかしらないが、自分のところに話が来なくなったのと、まともに計算するとアホみたいに時間が掛かる計算なのだが、その割に得るものがないのが止めた理由である。計算誤差はあるけれど、元々のソフトを作成した人は上手いやり方だし、その製品についての知識も豊富なので、その人が続けた方が良いだろう。
_ 固体のバンド構造を勉強し直すためにCoxの「固体の電子構造と化学」を購入した。孤立した原子が1つ2つと増えることで縮退が解けて…というストーリーでバンド構造を説明している本が読みたくて、Harrisonでなければこれだろうと思ったのが購入の理由である。まぁ、そうは言っても周期性を考慮した議論になるんだけど。学生時代、何の講義かは覚えていないが(苦笑)、この本の訳者である先生の講義を受けたことがあり(*1)、参考文献としてこの本が紹介されていたことだけは覚えている。
_ この本を購入したので先生はどうされているのかな?と思い調べてみたのだが、独立行政法人のコーディネーターをされているようなので、大学教授の方は定年退官されたのだろう。当時は新進気鋭、あるいは働き盛りの研究者というイメージがあったので、最初は現職のプロフィールにある画像を見てもピンと来なかった。今では大御所という感じである。
_ 酒を飲みながら調べていたので、酔った勢いで某大学の助教をしているはずの高校の同級生はどうだろうと思ってその大学のウェブサイトを見てみたら、首都圏にある大学の准教授に栄転たと書かれていた。これなら新宿の飲み会にも参加できそうだなぁ…