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磁場中の電子の運動方程式$m\ d^2{\bf r}/dt^2 = -e {\bf v} \times {\bf B},\ {\bf B} = \left(0, 0, B\right)$を解くと、解は下記のような円運動になる(一応、真面目に解いた)。
\[
x = X + v_y / \omega,\ y = Y - v_x / \omega,\ \omega = eB / m
\]
ここで、$v_x = A \cos\left(\omega t + \delta\right),\ v_y = A \sin\left(\omega t + \delta\right)$であり、$X$と$Y$(軌道中心の座標)、$A$や$\delta$は初期条件次第である。
量子力学においても$v_x = \pi_x / m, v_y = \pi_y / m$とすれば同じ形になることを認めると、$x = X + \left(l^2/\hbar^2\right)\pi_y,\ y = Y - \left(l^2/\hbar^2\right)\pi_x$となる。
この結果から、$\left[X, Y\right] = il^2$は容易に導ける。また、電子の軌道中心からの相対座標は $\xi=x - X=\left(l^2/\hbar\right)\pi_y, \eta = y - Y = -\left(l^2/\hbar\right)\pi_x$ と表現できるので、$\left[\xi, \eta\right] = -il^2$であることもすぐに分かる。軌道中心と相対座標のいずれも $l$ 程度の不確定性を持つということだ。
さらに、この場合のHamiltonianは下記のようになり、軌道中心がどこにあってもサイクロトロン運動の運動エネルギーは変わらないという、当たり前の形になる。
\[
H = \frac{\pi_x^2 + \pi_y^2}{2m} = \frac{\hbar\omega}{2l^2}\left(\xi^2 + \eta^2\right)
\]
これが調和振動子と同じ2次形式であることから、$a = \frac{1}{\sqrt{2}l}\left(\eta + i\xi\right),\ a^{\dagger}= \frac{1}{\sqrt{2}l}\left(\eta - i\xi\right)$とおけば、$H = \hbar \omega \left(a^{\dagger} a + 1/2\right)$となり、Landau準位まで辿り着いたことになる。具体的な波動関数はゲージの取り方に依存するので、これは後ほど。
次は磁場中かつ周期ポテンシャル中の並進移動に関する扱いをやって、その後に久保公式の導出をするつもり。ブリルアン・ゾーンなんてものを考えるのはいつ以来だろうか。そこで時間を食いそうな気がしている。
$v$(ヴィ)と$\nu$(ニュー)、並べて書けば区別が付くが、これまで書いてきた式で、「ヴィ」の見た目が「ニュー」に見えて気に入らない。ググってみると、LaTeXの場合は設定変更で対応できるようだし、修論を見直すと所望のフォントになっているのだが、MathJaxの場合はどうすれば良いのか分からない。HTMLファイルのヘッダにでも何かを書けば良いのかも知れないが、それを調べるのが面倒なので、当座はこのままで行く。代わりに$\upsilon$(ウプシロン)を使う人もいるようだが、ギリシャ文字の小文字は太字非対応らしいので、諦めることにした。
昨晩は飲み仲間との新年会だったのだが、帰宅後は服を着たまま寝てしまった。朝7時頃にトイレに行った後にパジャマに着替えてもう一眠りしたのだが、気がついたら昼だった。勿体ない時間の使い方をしてしまったが、時にはこういう気分転換も必要だと開き直っておく。
磁場中で、位置(0, 0)にいる電子が位置(a, b)まで移動すること、具体的には、(0, 0)から(a, 0)へ移動後に(a, b)移動する場合(経路1)と、(0, 0)から(0, b)へ移動後に(a, b)へ移動する場合(経路2)での違いを考える。
まず、J.J.Sakuraiなどに書かれているように、磁場が無い場合に${\bf R}$だけの並進移動を表す演算子は
\[
T_{\bf R} = \exp\left(\frac{i}{\hbar}{\bf R}\cdot{\bf p}\right)
\]である(*1)。磁場がある場合は正準運動量を力学的運動量で置き換えれば良いと考えるのだが、$\pi_x$と$\pi_y$が非可換なので、経路1と経路2では結果が異なる。$[A, B]$がc数であるときには、$e^{A}e^{B}=e^{A+B+[A, B]/2}$が成り立つこと踏まえ(*2)、経路1を表す演算子を$T_1$とすると、\[
T_1 = \exp\left(\frac{i}{\hbar}b\pi_y\right)\exp\left(\frac{i}{\hbar}a\pi_x \right) = \exp\left[\frac{i}{\hbar}\left(a\pi_x + b\pi_y\right) - \frac{ab}{2\hbar^2}[\pi_y, \pi_x]\right] = \exp\left[\frac{i}{\hbar}\left(a\pi_x + b\pi_y\right)\right]\exp\left(-i\frac{eBab}{2\hbar}\right)
\]となる。同様に、経路2を表す演算子を$T_2$とすると、
\[
T_2 = \exp\left(\frac{i}{\hbar}a\pi_x\right)\exp\left(\frac{i}{\hbar}b\pi_y \right) = \exp\left[\frac{i}{\hbar}\left(a\pi_x + b\pi_y\right)\right]\exp\left(i\frac{eBab}{2\hbar}\right)
\]であるから、
\[
T_2 = \exp\left(i\frac{eBab}{\hbar}\right)T_1=\exp\left(2\pi i\phi\right)T_1,\ \phi=\frac{eB}{h}ab
\]が得られる。$\phi$は2つの経路で囲まれた領域を貫く磁束$eBab$を磁束量子$h/e$を単位に測ったもので、その意味するところはAharonov-Bohm効果と同じである(と思う)。
計算ミスしまくりで、やたら時間が掛かったけど、過去を懐かしみつつ楽しめた。ここから先は過去にはやっていない話なので、さらに時間が掛かるかも知れない(苦笑)
少しは英語のリスニングスキルが上がったかも知れないと思っていたのだが、それは思い上がりだったことを思い知らされた。やっぱり通訳してもらわなきゃダメだね(苦笑)
絶対量が足りないという自覚はあるので、継続しかありませんなぁ。
この職種がシフトしていくであろう(そして、当然自分が目指すべき)方向性についての話を聞くことができた研修だった。それをどう実現するかが結構大変だとは思うけど。
近所のスーパーで会計中に、かごから袋に移し変えるための台(*1)に財布が忘れられているのが目に入った。財布を手にとってレジの人に「忘れ物です」と見せたところ、一緒にサービスカウンターまで行ってくれという話になった。
サービスカウンター担当の店員と一緒に財布の中身を確認した後で、「お礼の電話等は必要ですか?」と聞かれたので、「いや、いいです」と断ったのだが、後でトラブルが発生した場合を考えていたのだろう。それを考えて連絡先を伝えておくべきだったと思うのだが、俺ってそういうところに気が回らないんだよなぁ…そのスーパーではポイントカードを使っているので、必要であれば、レジの記録から私の氏名、住所、電話番号は分かるはずである。何か引っ掛かってしまったので、レシートは捨てずに保管しておくことにした。
悪いことをした訳でもなく、むしろ良いことをして後味の悪い気分になるというのも妙なものだが、まぁ仕方ない。