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_ あれからもう半年になるのか…早いものだ。
_ テッサーの収差補正に取り組んでいるが、色収差と非点収差が上手く補正できない。硝材の選択は連続的ではないし、コストを考える必要もあるので難しい。最適化の際に、最大画角での倍率色収差や中間画角での非点収差についての重み付けを大きくすればマシにはなるが、本質的な対応策ではない。今のところ、色収差の発生方向から硝材の分散をどちらに動かせば良いか考えているが、凹凸どちらのレンズでそれを行うのかによって話が違ってくる。単純に考えると、パワーの大きいレンズに着眼すべきなのだと思うが、試行錯誤中である。
_ コストの考慮については、オハラのウェブサイトにはS-BSL7(BK7相当)を10とした場合のコストが出ているので、Excelで硝材名、屈折率、アッベ数、コストを一覧にしてvlookup関数で拾うようにすれば、3次収差の追い込みと同時にコストも考慮できる。まぁ、加工性や耐環境性までは考慮できないけど。
_ 前の勤め先では、私が入社する数年前までは、社内の光学系技術者で集まってレンズ設計の勉強会をやっていたそうだ。古い資料の整理をしている際に、この勉強会の資料が出てきたのだが、いつか勉強できればと思って確保しておいた。
_ テッサーの収差補正でそれなりに満足できる結果が得られるようになったので、腕試しに資料に出ている練習問題をやってみたのだが、これがなかなか手強い。同じ焦点距離のテッサーを出発点に、パワー配置や硝材を変えていくことで、F値を明るくした設計をすることはできても、焦点距離(画角)が変わった際にどうすべきかということについては、まだまだである。ズームレンズのワイド端のように、1枚目と2枚目のレンズを近づければ広角寄りの仕様になるので、その方向で試行錯誤中。