週記以上日記未満 in September, 2011

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2011年9月11日(日)

_ あれからもう半年になるのか…早いものだ。

闇夜の徘徊(19)

_ テッサーの収差補正に取り組んでいるが、色収差と非点収差が上手く補正できない。硝材の選択は連続的ではないし、コストを考える必要もあるので難しい。最適化の際に、最大画角での倍率色収差や中間画角での非点収差についての重み付けを大きくすればマシにはなるが、本質的な対応策ではない。今のところ、色収差の発生方向から硝材の分散をどちらに動かせば良いか考えているが、凹凸どちらのレンズでそれを行うのかによって話が違ってくる。単純に考えると、パワーの大きいレンズに着眼すべきなのだと思うが、試行錯誤中である。

_ コストの考慮については、オハラのウェブサイトにはS-BSL7(BK7相当)を10とした場合のコストが出ているので、Excelで硝材名、屈折率、アッベ数、コストを一覧にしてvlookup関数で拾うようにすれば、3次収差の追い込みと同時にコストも考慮できる。まぁ、加工性や耐環境性までは考慮できないけど。


2011年9月12日(月)

非協力的

_ 使い方を知らない設備の扱いを教えて貰おうと声を掛けても、忙しいとか何とかで反応が悪い。ちょっとムカつくんだけど、私を手伝うメリットを感じないというのが本音だろう。最近カーネギーの「人を動かす」を読んでいるだけに、ちょっと微妙な心境。

闇夜の徘徊(20)

_ テッサーの収差補正は相変わらず試行錯誤しているが、倍率色収差は絞りの前後で傾向が反転することに気がついた。そういう意味では歪曲にも同じようなことが言える。5年程前に習ったことなのだが、使わないと忘れてしまうものだ。


2011年9月13日(火)

闇夜の徘徊(21)

_ 収差図や光路図から、軸上色収差と倍率色収差の動きがイメージできるようになってきた。軸上色収差は難しくはないので書くまでもない。倍率色収差は、昨日書いたことと同じだが、主光線が屈折面を通過する際に、光軸の上下どちら側を通っているかで寄与が逆になる。この関係に注意して光路図と収差図を眺めると、どのレンズの分散をどちら向きに変えると、倍率色収差がどちらにシフトするのか読めるので、それが軸上色収差と揃うレンズが狙い目ということになる。

_ まぁ、まだ一番簡単な部類のレンズなので、はしゃいでる場合ではないけれど。

さらに

_ もう一つ、はしゃいでいる場合ではない理由がある。業務では、上述の色収差についての理解が余り役に立たない(単波長ということではないけど)。

_ 業務に役立つ光学についても仕込んでいる最中ではあるが、前職でやりかけだった計算の延長線上にあって、更に難易度が高い内容である(*1)。上の方から「期待してもしょうがないでしょ」という声が聞こえてきたが、だから止めるというのは癪に障るし、自分でやる実験の検証には使いたいと思っている。

*1: 過去にも書いた気がするが、記憶が曖昧

2011年9月18日(日)

闇夜の徘徊(22)

_ 前の勤め先では、私が入社する数年前までは、社内の光学系技術者で集まってレンズ設計の勉強会をやっていたそうだ。古い資料の整理をしている際に、この勉強会の資料が出てきたのだが、いつか勉強できればと思って確保しておいた。

_ テッサーの収差補正でそれなりに満足できる結果が得られるようになったので、腕試しに資料に出ている練習問題をやってみたのだが、これがなかなか手強い。同じ焦点距離のテッサーを出発点に、パワー配置や硝材を変えていくことで、F値を明るくした設計をすることはできても、焦点距離(画角)が変わった際にどうすべきかということについては、まだまだである。ズームレンズのワイド端のように、1枚目と2枚目のレンズを近づければ広角寄りの仕様になるので、その方向で試行錯誤中。


2011年9月19日(月)

闇夜の徘徊(23)

_ 昨日の件、散らかった書類を漁っていたらテッサーの模範解答が出てきた。トリプレットのパワー配置に置換した際のパラメータが今まで見たことがないくらいに違っていて、各面で発生する収差量も大きかった。今までは可能な限り収差の発生量を抑える方向でやっていたが、この設計は最終的にバランスが取れていれば良いという設計である。問題の但し書きにも書いてあったことではあるが、ちょっと想像の斜め上を行っていた感じである。

_ 各面で発生する収差量が大きければ、形状/組み立て誤差に敏感だと思うのだが、これくらいなら許容されるということなのだろうか。



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