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当初の線形応答理論の勉強をしようというところから脱線して、というか、その前にやっておかなきゃダメだろうと思うことが増えてきたのだが、流石に「マクロな体系の論理」で全てを賄おうとするのは無理がある。そこで、熱力学に関しては「熱力学入門」(佐々真一)を開く機会が増えた(*1)。
必要なところだけをサクッと読んで…というやり方では十分な理解ができないので、最初から読んだ方が良いのでは?と思っているのだが、そうすると、がっつり熱・統計力学を勉強してから次へ進むことになるので、「統計力学」(阿部龍蔵)で線形応答理論の勉強をするのは結構先の話になりそうである。まぁ、楽しんで勉強しているからいいけど。
遠い昔、反射率の入射角依存性、ブリュースター角、全反射での位相シフトを計算するExcelファイルを作ったことがある。二度と使うことはないかも知れないと思っていたのだが、業務でこれを使う機会があったので、ちょっと手を加えてみた。もっとも、全反射の臨界角を追加しただけなので、「ちょっと」と言うのもおこがましいくらいだけれど。
ブリュースター角付近の入射角だとP偏光の反射を抑制できるので嬉しいことがあるという、光学に関わる人なら誰でも知っていることではあるんだけど、特許性を出すための屁理屈として使うつもりでいる。屁理屈を考えるのがこっちの仕事になるのは構わないんだけど、これくらいの光学的な内容を発明者自身が理解していないのは少々問題かも知れない。まぁ、その分ありがたがって貰えれば良いか。
この手の計算をExcelでできるようにしておけば、実務での活用もできるし、ちょっとした息抜きにもなるだろう(笑)
ノーベル物理学賞の内容をどう説明するのか興味を持って見た。竹内薫氏も、対象となった三つの研究を一括りにするのは無理があると感じたと知って、安心した。
また、15分で全てを説明するのは難しいだろうと思っていたが、何を持ってKT転移が「トポロジカル」で括られるのかについて、イメージが持てたので、それだけでも良かった。
都内への出張の帰りに丸の内オアゾの丸善に立ち寄って、物理系の本を幾つか眺めてきた。これだけまとまった数の物理書が並んでいるのを見るのは久しぶりなので、少々ときめいてしまった。買いたいなぁと思う本があったけど、今は読まないだろうなぁとも思うので、購入は控えておいた。
一度サラッと目を通してはいるのだが、ノーベル財団の解説の、量子ホール効果に関する部分(4 Quantum Hall conductance and topological band theory)を読み直してみた。さらに手元の本(*1)も見てみたが、ここでLaughlinの理論の問題点だと思って書いたこと(*2)は、トポロジカルな理論でも同じようだ。Thoulessらの主張は、量子ホール効果はLaughlinの言うゲージ不変性ではなく、トポロジカル不変性を反映しているということなのだろうか。
その辺りをもっと知りたいと思い、Springerの"The Quantum Hall Effect"で、Thouless自身が書いた章もザックリ目を通した。久保公式が出てくるので、具体的な計算はしていないのだが、先日の寄り道でトポロジカル絶縁体の本があったので立ち読みした感じだと、1次の摂動論で運動量演算子の期待値を取れば所望の式が得られそうな気がする。「久保公式」だと構えずに、ちょっと試してみたい。
セルヒオ・ラモスが退場になっていたら・・・