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_ 自分以外の光学ソフトを使える人間が出張しているために振られた業務があるのだが、過去に経験がない光学系であり、ソフトの機能も初めて使うものが多いので、光学系とソフトの機能の両方について調べながら進めなくてはならず、結構面倒である。本を見ながら考えていると、何と何とが共役な関係になっているかなどが分かってきて、結構面白味を感じたのだが、もうすぐサヨナラなので苦笑するしかない。
_ 調子に乗って、プログラムの小修正でPoisson spot(或いはArago spot)を計算してみた。googleで検索すると出てくるが、点光源からの光を円形の遮蔽物に照射した際に、その影の中心部に現れる輝点である。
_ 計算には、角スペクトル法という手法を使っている。平面物体を通過した光を平面波展開して、各平面波の位相を観測面までの距離に応じてシフトさせて、それを逆変換で重ね合わせれば観測面での振幅分布になるという、シンプルな考え方である。それでいて、Fresnel回折やFraunhofer回折のような近似ではないので(*1)、使い勝手が良い方法らしい(実務で活用したことがないので、断言は出来ない)。ただし、物理意味を理解しやすいかと言われると、ちょっと微妙である。
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計算結果の一例は、下の画像の通り。
計算条件は上述の「シミュレーションで見る光学現象」に合わせたつもりだったのだが、中央部に輝点はあるものの、同じ結果にはなっていない。
_ 後から気付いたのは、文献では入射光の強度分布がガウス分布なのだが、自分の計算は一様分布であること。そのため周期境界条件の影響が出ており、外側では波紋の干渉のようなパターンになっている。その他の部分も見直して、問題が解決したら「趣味れーしょん」を更新しようと思っている。